りつ缶

のんべんだらり

269p

 お父さんには会社が現実(リアル)。


290p, みかえし

 泣きたくなったんじゃない。怖い目にあったり悲しい話を聞いたり、そういうときに流す涙でもない。ただなにかが身体の内からこぼれそうになったのだ。ぜったいことばにならない、ことばにできない、そういうかけがえのないひと雫。
 ヤサコ、天沢さんがそう呼ぶとき、その名前は、フミエちゃんのでもダイチのでも、マイコ先生の呼ぶヤサコでもない、とくべつの響きに満ちている。悪意があって嫌悪があって、甘美。


電脳コイル 2 (2) (TOKUMA NOVELS Edge)

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