タイトル8割嘘ですごめんなさい。でもベストは尽くしたつもり…!
事の始まり
5/5に@lastlineさん、@taitokuさん、@GeistPさん、@merliさんとワードバスケットをしていたときのこと。
@taitoku「たらら!」
他全員「え? たらら? 『たたら』の間違いではなく?」
@taitoku「いや、たらら。ほら」(ケイコン株式会社のページをiPhoneで見せつつ)
みたいなやりとりがありました。
その場ではそれきりだったのですが、なんで「たらら」なんだろう? と思い始めたらずっと気になってしまって、@taitokuさんの言ってた「工事現場のおっちゃんたちが使ってた」というヒントを手がかりに、帰りのTXの中で@lastlineさん*1とそれぞれiPhoneを酷使して調べてたのですが、見つからず…。
今日ならば大学図書館も遅くまでやっているからと、調べに行ってきました。
帰りのTXで調べた範囲
- 「たらら」で検索
- ケイコン株式会社のページが検索結果の一位で表示される。
- それ以外は、工事に関係ありそうなページが検索結果に出てこない。
- ケイコンのページで、「たらら」=「集水桝」だということがわかった。
- ひとまず「集水桝」で検索
- 今度はケイコン以外のページも見つかる。
- が、「たらら」と書いてるページは見つからない。
- 「溜桝」とも言うらしいということはわかった。
- ちなみに、CADデータとか設計図とかもたくさん見つかったよ…。
- 目先を変えて、「土木用語集」で検索
- 見つかったページに片っ端からアクセスして、「たらら」を探す。
- が、まったく見つかる気配がない。
- ちなみに途中で見つかった株式会社きてらのリンク集はなかなか便利でした。
このあたりでiPhoneの電池残量が危なくなってきたので(私は)ひとまず諦め、一旦父*2に事の経緯などをメールしてみました。
結果、タイトル思いっきり間違えて「たたら」って送っちゃってたので、「たらら」は方言辞典にはなかった、という報告とともに「たたら」の解説が送られてきました…。
iPhoneで続きを調べるのは諦めたものの、紙媒体もあたらんと、と思い、大学図書館で調べるぞー! と思いつつ帰宅。
大学図書館で調べた範囲
参考になりそうな本のある階をwebで一応確認してから行きました。
@自然科学の階
土木の事典/辞典を眺めるも、何か違う感じが…。
昨夜のTX車内で、「現場の言葉って昔から使われてる言葉が多いのでは」とかそんな感じの話をしてたことを思い出し、いっそのこと、と思って言語学の本がありそうな階に移動。
@人文科学の階
俗語辞典、京都・大阪の方言辞典、職人ことばの本、古語辞典をひたすら捲るも、「たらら」は見つからず…。
なぜか擬音語擬態語辞典を見て、「たらたら」を見つける。
たらたら(っ)
[解説] (1) 液体のしずくが連続して流れ落ちる様子を表す。
現代擬音語擬態語用法辞典. 東京堂出版. p.264-265.
読んでるうちに、「もしかしてこれが変化したのか?」と思い、古語辞典でも確認。*3
調べてみると、やっぱり昔から似たような意味だったよう。
たらたら
①しずくなどのしたたるさま。
さて、これが「たらら」に変化するのはありうることなのか? と思ったので、言葉の変化のルールのようなものを調べようとするも、参考図書の棚を見ても一般図書の棚を見ても、載ってそうな本がよくわからず…。
父ならそういう本のことも知ってるかしらともう一度電話。
父の電話で言われたこと
資料のことをきこうと思ってたんだけど、図書館で調べたこととかを話してたら、語源の話と、あと、狭い分野での方言みたいなのを調べるには、みたいな話になってました。
語源について
「もしかして、『垂れる』と関係があるんじゃないの?」
「『たらたら』も元の語源は同じだと思うよ」
「『たらら』も、垂れてきたものを集めるものだから、っていうことなんじゃない?」
「れる」が「らら」になることはあるのか? と質問したところ、「同じラ行だからあってもおかしくないんじゃないかなー」と返されました。言葉が変化するときってそんなものなんですかね…。
狭い分野での方言みたいなものを調べるには
- 同じような意味で使われている他の例を確認
- つまり、ケイコン以外に「たらら」が載っているものはないのか? の確認
- web上にはなかった。なら、紙媒体は? という話
- 専門的な方言は、その分野に関わっている人でないとわからない
- だから、調査をするときにはそのコミュニティにいる人からの聞き取り調査が頼り
- 実際には、狭い分野での方言に関する調査は少ないので、方言辞典にそういう言葉が載ることは滅多にない
聞き取り調査、って、つまりフィールドワークですよね。と思って、興味は湧いたものの、「論文にします!」とかでもないのにできないな、とすぐに思い至り、頭の中から慌てて「調査しに行く」という選択肢を消した。調査って、調査する側よりも、調査される側の人の負担が大きいからなぁ…。
結局どうなったの?
というわけで、昨日と今日調べた範囲では、「たらら」の語源はわからず仕舞いでした。
わかっている範囲では、
- 土木工事に使われるもの
- 道路工事に使われるものみたい
- 「集水桝」「溜桝」とも
- 京都・大阪あたりの工事現場で使われている言葉
という3点の特徴(?)があります。
もし語源や由来をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントやトラバしていただけると、嬉しいです。よろしくお願いします。
追記 (2011/05/08)
昨日、バイト先で上司の方にきいてみたところ、「茨城では『集水桝』だよ」との答えが。比較的なまってる茨城で普通に読んでるってことは、関東圏はたぶん「たらら」とは言ってないんでないかなーとぼんやり推測してみたりなど。