りつ缶

のんべんだらり

どこまで続けるの?

(略)
そんな子どもたちに対する一番の裏切り行為は、僕たちがこのゲームづくりをやめてしまうことです。もう飽きたとか、違うものをつくりたいとか、もっと効率よく利益を出せるものに切り替えようとかいう理由で、このビジネスをフェードアウトさせようと決めた瞬間に、一生懸命に集めてくれた子どもたちのカードが使えなくなるわけですよね。宝物のようにずっと大事にしているものが、単なる紙のカードになってしまわないように、ずっと続けていくことが、子どもたちを裏切らないことだと思っているんです。
(略)
 それでも、いつかは終わりがくるかもしれない。子どもたちに見放されたら、たぶんそのときが終わりなのでしょうね。そのことに対する恐怖とか不安は、今でもありますよ。もしかしたら、一年後には終わっているかもしれないし、そこを切り抜けても五年後までは続かないかもしれない。でも、とにかく今やるべきことを、半年後のソフトウエアのバージョンアップに向けてやるだけです。僕らの仕事というのは、その繰り返しですね。


プロフェッショナル 仕事の流儀〈6〉

プロフェッショナル 仕事の流儀〈6〉


144-145p